H25曽根干潟貴重種等調査報告書.pdfをダウンロード 9.3Mあるのでダウンロードする場合は注意して下さい。
曽根干潟は,100万都市北九州市に位置する唯一の広大な干潟である. この干潟には,カブトガニやヤマトオサガニ,塩性植物のシバナなどの絶滅危惧種や貴重種が生存していると言われている. これらの貴重な生物を保護・保全することが重要である.本活動は,絶滅危惧種や貴重種に着目して, それらの生物を保護・保全するための方法を究明することを目的とする. 特に,今年度はカブトガニの幼生と野鳥に関して,既存データの収集とともに,カブトガニ幼生の生息個体数とガン・カモ類の飛来数を把握する.
(1)曽根干潟に生息する絶滅危惧種や貴重種の有無や生息場所, および生息量を把握するために、下記の日程で現地調査を行った. 予備調査:平成25年8月10日(8人),本調査:平成24年9月7日(13人), 平成24年9月8日(12人),鳥類調査:平成26年1月13日(15人) (2)過去の状況を把握するために既存の調査資料を収集,今回の結果と比較した. (3)調査で明らかになった希少生物に関して曽根東小学校の4年生生徒に環境学習指導を行った. 平成25年10月19日(5人)
(1)目視調査で確認された重要な種は,29種であった.大野川河口周辺と河口左岸側の ヨシ原(A-1)で20種,南側干潟部(A-2)で5種, 北側から中央の干潟部(A-3)で8種,間島周辺(A-4)で7種,竹馬川周辺(A-5)で 6種,朽網川周辺と河口のヨシ原(A-6)で11種の重要な種が確認された. (2)底生生物調査で確認された主な優占種は,ゴカイ類のホソイトゴカイ,貝類のヘナタリ, ホソウミニナ等であり,いずれも曽根干潟では普通にみられる種であった。 また,水産種は,アサリ,マテガイの2種のみであった.
(3)カブトガニ幼生の確認個体数は,2006年以降確実に減少傾向である. これは,2006年から2007年にかけて起こった産卵つがい数の急激な減少に起因していると思われるが, その後のつがい数の増加傾向が幼生個体数の増加には寄与していない結果となっている. (4)1976年から2013年までの38年間における野生鳥類の観察により,273もの種が記録されている. このうち,貴重な鳥類としては,天然記念物のオジロワシや種の保存法の国内希少野生動植物種であるハヤブサ, 国際希少野生動植物種のコアジサシなどが曽根干潟に飛来する.
湧水調査状況 | 底生生物調査状況 |
イボウミニナ(2013/9/8) | ツクシガモ(2014/2/28) |