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曽根干潟は,100万都市北九州市に位置する唯一の広大な干潟である。 この干潟には,カブトガニやヤマトオサガニ,塩性植物のシバナなどの絶滅危惧種や 貴重種が生存していると言われている。これらの貴重な生物を保護・保全することが 重要である。本活動は,絶滅危惧種や貴重種に着目して,それらの生物を 保護・保全するための方法を究明することを目的とする。特に,カブトガニに関しては, 幼生の生息数が激減しているので,干潟全体の生息個体数を把握した。
(1)曽根干潟に生息する絶滅危惧種や貴重種の有無や生息場所, および生息量を把握するために、下記の日程で現地調査を行った. 調査:平成26年9月7日,平成26年9月8日 (2)過去の状況を把握するために既存の調査資料を収集,今回の結果と比較した. (3)環境モデル都市を標榜する北九州市にとって,生物多様性とくに生態系に おいても優しい町であるとの対外的な広報に資する。
(1)目視調査結果は,平成24年~平成26年の3ヵ年分の結果を整理した。目視調査により確認された種は全55種であった。 このうち,環境省および福岡県のレッドリスト等に記載された重要な種は28種であり, 全確認種の半分以上を占めた。 (2)底生生物の5回の結果における種類数,個体数,湿重量の経年的傾向は,概ね減少傾向である。 ※1995年(平成7年),2007年(19年),2012年(24年),2013年(25年),2014年(26年)
(3)発見されたカブトガニ幼生の個体数は,北干潟で24個体,南干潟でその約3倍 の69個体が確認された。過去に同様な調査が2006年(平成18年)~2009年(平成21年)の 4回行われており,その結果と今回の結果を比較すると,発見された幼生の総個体数が 減少していることが明らかである。 (4)湧水調査においては,干潮時に岸から沖にかけて淡水の影響が見られることが確認されたが ,干潟中央部でも淡水の影響が見られた。
湧水調査状況 | 底生生物調査状況 |
底質調査状況 | 底生生物調査状況 |
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